印象派を代表するフランスの画家。柔らかな陽光に輝くバラ色の肌の女性画に代表されるルノワールの絵画は日常の素朴な幸福、女性美への賛歌など喜びに満ち溢れ、日本でも高い人気を誇ります。晩年ルノワールの中で女性はますます理想化、神聖化され、彼は自分の描く裸婦をニンフとさえ呼びました。 ルノワールの画暦
モネとともに印象派の代名詞ともいえるルノワール。しかし光そのものを追及したモネに対して、ルノワールは、民衆の日常の喜び、陽気さ、素朴さを際立たせる道具として光を用いました。
ルノワールが最も得意としたジャンルは女性画です。独特の柔らかな筆遣いで、女性の優しさとたおやかさを表現しました。40代でイタリアに旅行すると、そこで見た数々の宗教名画の影響か、以降モチーフは、日常風景の素朴なひとこまから、自然の中の裸婦というような、より恒久的に女性賛美を歌ったものへと移行していきます。女性は母性、生命の源となり、自然の中で豊穣の女神として神聖化されました。
ルノワールの絵は喜びで満ち溢れ、人生の苦悩や葛藤は微塵もありません。これを偽善的だといった批評家に対してルノワールは「世の中は醜いことだらけなのに、なぜ絵の中にまでそれを表現する必要がある? 絵くらいは、愛らしく、喜びで満たされ、綺麗なものでなければならない」と言ったそうです。晩年は体が思うように動かず、絵筆を手にくくりつけて作業に望んだというルノワールですが、最後まで、彼の作品は幸福と女性賛歌に包まれていました。
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